灰色のダイエットコカコーラ



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おお、

タイトルからして何だか胡散臭さがプンプンするが、
これが意外と良い作品であった。
具体的には「覇王」なる漠然とした、
それでいてなんだか権力のある存在になろうとする若者の話である。
特に表題作の出来は最高で、
こういった小説は良い意味で若者にしか、
それも現代のアニメやライトノベルなどに目配せをしている者にしか書けないであろう。

「覇王」とは比喩であり、
「作家」でも「ミュージシャン」でも「クリエイター」でも何でも良いのだ。
(しかしそれをあえて「覇王」として書ききった所に佐藤の個性がある。)

そしてその目標に向けて努力したり、邁進するわけではなく
文字通り夢想し、自己嫌悪に陥り、同じ所をグルグル回り、
時に恋愛や、目先の目標達成に逃げ、
結局肝心の目的には何一つ近づけないといった
現代の若者の心理を、焦燥を、上手く捕らえている秀作であると思う。
いろいろな人に是非、
読んで欲しい一作。
暗いけど面白いかな?

平凡な毎日を送る人間達を「肉のカタマリ」と定義して止まない主人公:僕。祖父と親友に憧れ、聞いてきた彼らの生き方なる持論に感化され。覇王になると目標を持つものの…ストーリーは全体的に「僕」の独りよがりがみっしりと詰まっていて、所詮夢想にふける平凡人だというのを露わにしています。結果的に祖父は、たまたま権力があるに過ぎない爺であり、親友は変態と猫かぶりの二面性な性格を持つだけの青年なのに。この僕とやらは、こいつらを神と崇めている訳。どんなに崇めようが、拝もうが他人になれないのに…。どんな人間でも「普通」と云う定義にくくられ、逃れなれない様を書いてると思うんですが?。
結局自分自身も平凡人で、変わらぬ毎日を送るのだと気付く僕。気付くの遅いよ。人間とは惰性・妥協・順応を繰り返し、人間集団のカテゴリーの中に収まる生き物、否、収まらなきゃならない生き物なんだよ。彼みたいな生き方したら、破滅しか道は残されていないんだよね。
結論からいって。
楽しく読める小説ではない、しかし面白い小説です。

過激な描写に気をとられがちな小説だが、それだけの小説ではない。では何があるのかというと最後まで読めばわかるとしか言いようがない。読んだあと後悔する人もいるかもしれないが、損をすることはないだろう。本文の一部を引用するのでそれで判断してください。この一文に何かを感じとったのなら読むべきです。

きみもそうじゃないのかい?ちょっと普通じゃないことをやると決まってやってくる、あの平凡で平坦な批判が怖くて、自分を殺しちゃいないかい?集団の中に適応させようとする教育方針が怖くて、自分をだましちゃいないかい?昔の話だけど、幼稚園の図工の時間にさ、僕は一度だけ自分を露出させたことがある。真っ白の画用紙に、自分の性格を、感情を、思考を、表現を、すべて描いた。描き尽くした。いやあ、それはそれは素晴らしい絵だったよ。最高傑作だな。解るかい?解るだろ?でもそれを見た園長先生の言葉がさ、『こんな変なものを描いちゃいけません』だぜ?はっ、変なものときたからねえ。『面白い』でも『つまらない』でもなく『こんな変なものを描いちゃいけません』だからね。がっかりだったな。園長先生の言葉を聞いた僕は、ああ集団にやられていくと幼いながらも思った。

蛇足を付け加えると「覇王」の由来は
中上健次さんの(最初の引用もこの人の「灰色のコカコーラ」)
「枯木灘 覇王の七日」からかと



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